私たちはいつの間にか、起きて、立って、歩く、といった日常生活動作を自然に行っています。
しかし、赤ちゃんのことを考えてみれば、それが「当たり前」ではないことが分かります。
赤ん坊は、仰向けで寝ているところから始まって、一生懸命からだを動かして寝返りやずり這いを習得していきます。
このときに大事になるのが、身体感覚の発達です。
この発達は、ちょうど動物の進化と同じような過程をたどります。
最初に脊椎動物としての感覚、つまり背骨の感覚を習得します。
そして、魚のように背骨をくねくねと動かすことで、全身を動かしていきます。
さらに、手足が生えてからだを支えるようになり、いつしか足だけの移動、つまり二足歩行ができるようになります。
この時に、動作の感覚として、背骨を動かす感覚から、手足で支える感覚を学び、頭を持ち上げることができるのですね。
そして、最終的には二足歩行から発展して、左右バラバラの動きができるようになります。

野球のピッチングなどがいい例です
右と左で異なる動きをしながら、全身の連携を図るのは、とても高度な動作なのです。
運動が得意な子どもは、これらの身体感覚、動作感覚の発達が優れています。
逆に大人であっても、これらの感覚に「積み残し」つまり未発達の部分が隠されている可能性もあります。


ぼたもち堂のプログラムでは、座ったまま、あるいは寝転がったままの姿勢でボールを扱うワークを行います。
このようなワークを通して、脊椎感覚を中心とした身体感覚と、固有受容覚などの体性感覚が統合されていくわけですね。
体性感覚についてはこちらもご覧ください。
活動の中で子どもの状態をみるときも、感覚統合の7感覚だけではなく、身体感覚や遊びの段階など、様々な発達の状態を複合的にみることを心がけています。











