ジャグリングと、感覚統合の「7つの感覚」

ぼたもち堂のプログラムでは、ボール1個から始める「おどるジャグリング」のワークショップを実施しています。
幼稚園や保育所、児童館、小学校など、主に年中さんから小学校低学年の子どもたちと活動をすることが多いです。
そして、この「おどるジャグリング」のワークショップは、おてだまを通してさまざまな感覚を使うため「感覚統合」のプログラムにもなっています。

「感覚統合アプローチ」とは、さまざまな感覚刺激がインプットされることで、感覚情報を脳が統合し、適切な反応を学んで発達が促されるという手法です。

この感覚統合アプローチにおいては、ひとの感覚を次の7つに分けて捉えています。

視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・前庭覚・固有受容覚

このうち、いわゆる「五感」と呼ばれる

視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚

は、なんとなく馴染みがあるのではないかと思います。

それぞれ、

目・耳・鼻・舌・皮膚

に対応していますね。

「感覚統合」の考え方では、以下の3つの感覚を「体性感覚」と呼び、姿勢や体の動きを司る感覚として重要視しています。

触覚・前庭覚・固有受容覚

触覚は、五感にも入っていますね。

触覚は、皮膚で感じる体の表面の感覚のことです。
これは想像がつきやすいと思います。

前庭覚とは、からだの方向や傾き、スピードなどを感じる感覚です。
片足立ちをしても転ばないのは、この前庭覚でからだの傾きを感じとり、自然に調整しているからです。
主に、耳にある「三半規管」という感覚器官で感じることができます。

固有受容覚とは、手足の動きや曲げ伸ばしなど、からだの部位の位置や状態を感じる感覚です。
上手に運動ができる子どもは、この感覚が発達していて、適切な部分の力を使うことができるのです。

たとえば、ぼたもち堂のワークでは、ボールをひじに挟んで動かしたり、そのまま全身でくるくると回ったりします。
この時に使っている感覚を考えてみましょう。

触覚+前庭覚+固有受容覚

まず、ひじに挟んだときに皮膚に感覚入力が入ります。
「ここがひじの内側なんだ」という認識が生まれます。

そして、ものを挟んでいることによって「ひじを曲げる」という感覚もわかります。
これが固有受容覚ですね。

最後に、くるくると回ることで、前庭覚も刺激されます。

こんな風にして、からだの色んな部位に感覚入力をしながら、プログラムを楽しんでいきます。

やわらかいボールを使って、ジャグリングとダンスのエッセンスである基本的な動作をじっくり行うので、こういった効果が得られるのです。
幼少期にこのような感覚遊びをたくさん行うことで、感覚統合が促され、からだや運動能力の発達につながります。

何よりも、プログラムを楽しんでいただけるのが一番です!

目次