やりきるのが大事!原始反射ってなに?

ひとの発達を考える上でとても大事な要素のひとつに「原始反射」というものがあります。
原始反射とは、ひとに生まれついて備わっている反射動作のこと。
有名なものをいくつか挙げてみます。

モロー反射=びっくりしたように両手を広げる

吸啜(きゅうてつ)反射=手でつかんだものをしゃぶる

いずれも、赤ちゃんにとっては生存に必要なからだの反応です。
こういった反射は、基本的には成長に伴って徐々になくなっていきますが、その程度には個人差があります。

発達のばらつき具合によっては青年期や成人期であっても残る可能性があり、場合によっては対人場面での緊張などにつながることもあります。

たとえば、幼児クラスでジャグリングの活動をしていると、ボールをパスされた時にピクンと体が動くお子さんがいます。
こんな時には、「モロー反射が残っているかもしれないな」と考えます。

感覚統合アプローチにおいて、原始反射の対応については「やりきる」のが最も大切です。

考え方としては、よく「チケット」に例えられます。
反射を繰り返すことによってチケットが減っていき、最終的にはなくなるということです。

例えば吸啜反射(指しゃぶり)が残っているとして、100枚の人と2,000枚の人では反射がなくなるまでの時間が異なります。
なくなるまでの時間に違いがあっても、しゃぶる行為を繰り返しているうちに、いつかはチケットを使い切るということです。

ですから、幼児期に何かの感覚刺激を求めている場合には、「やりきる」ことも非常に大事になります。
「おしゃぶり」は、必要な分だけしゃぶりつくしたら、勝手に手放してくれるのが基本というわけですね。

ぼたもち堂のプログラムでも、原始反射の発達の様子をみながら活動を進めています。
なかなか「やりきる」までできないことも多いですが、子どもたちの様子を見て、なるべく満足するまで1つのワークに取り組めるように心がけています。

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