ジャグリングで踊りたい!

12歳のときにジャグリングを始めて、もう20年以上経ちます。
ジャグリング歴で言えば立派なベテランですね。

ジャグリングは技を身につけるのがメインなので、「表現」につなげるのが難しいジャンルだと思います。
3個のおてだまができた。足の下から投げることができた。別の軌道で投げることができた。個数が増えた。
そういった技を積み重ねていくことがメインになります。
ひとつひとつの技を身につけるまでには、もちろん練習が必要です。

一方で、いつからか「ジャグリングで踊りたい!」という思いが芽生えてきました。
初めてその衝動に駆られたのは、高校生の時だったと思います。
音楽に合わせてメチャクチャに体を動かしてみたのを覚えています。

有り余るエネルギーを発散させてかったのかもしれません。
「これ、もっと上手くなったら楽しいかも!」
そう思ったことを覚えています。

その後、合気道に出会い、武術的なからだの使い方を身につけたことで「ボールとともに踊る」という感覚が少しずつわかってきました。
ボールの動きにからだの動きを合わせて、自然で綺麗な動作に近づけるように努力しました。

また、ある本で「アジアの芸能は武術と舞踊が一体化している」ということを知って、興味を持っていました。
そんなときに、縁あってタイの舞踊を習うことができました。
この舞踊は2本の剣を使って舞うもので、「道具の動きを大事にする」という意味でジャグリングとも共通するところがありました。

タイ舞踊の稽古で身につけた型や精神性は、今の「おどるジャグリング」のベースになっています。
指先の表現まで気を遣うこと。そして、感謝や祈りと共に踊ることを学びました。
このあたりから、衝動を芸能の型で昇華していく感覚を少しだけ掴み始めた気がします。

こうして、今も「おどるジャグリング」を探求し続けていますが、これがなかなか難しい。
ジャグリング、ダンス、姿勢や動作、音楽との調和、道具との調和。
どれか1つだけとっても極めるのが難しいのに、それらを全部融合させようとしているのですから、なかなかの欲張りですね。

それでも「なんとな〜く見えている次のステップ」に向けて、少しずつ稽古を重ねています。
まだまだ道の途中ですが、パフォーマンスを観ていただける機会がありましたら、世にも珍しい「ジャグリング舞踊」をお楽しみください。

目次